子どものやる気がなくて困っている親御さん向け
子どもをやる気にさせるには、親が勉強の楽しさを伝えたり褒めたりするのが良いと思っている方が多いですが、それは大きな誤解です。
実は、親が子どもをやる気にさせることはできません。
皆さんは、これまでたくさんのやる気を引き出す方法を見てきたと思います。
でもぶっちゃけ、
「ありきたりな方法では効果が出なかった」
このように思ったことはありませんか?
その通りです。子どもを褒める、などの方法では全く効果は出ません。
なぜなら、それは子どもをコントロールできるという誤った前提に立っているからです。
今回は、子どもをやる気にする際の前提となる考え方(コントロールの5つの領域)について書いていきます。
この記事を読むことで、子どもが主体的に成果に向かう方法がわかり、ガミガミ言うことでのストレスを減らすことができます。
この記事の信頼性
この記事を書いている私は生徒指導歴5年ほど。
東大合格者数No.1の予備校にて500名以上の生徒を見てきた後、オンライン塾を起業しました。
心理学とコーチングを土台にした技術で、生徒の内側からやる気を引き出す指導をおこなった結果、2020年は全員合格を達成できました。
子どもが主体的に勉強へ向かうようになる方法に関しては、少しは詳しいと自負しています。
少しでも参考になれますと嬉しいです!それでは行きましょう~。
コントロールの5つの領域を理解しよう
先ほど、親が子どもをやる気にさせることはできません、と書きました。
これをもう少し詳しく言うと、
親が子どもをコントロールしようとした状態で、何かを働きかけても子どもをやる気にさせることはできません、ということです。
そもそも、「やる気にさせる」と考えている時点で理想とはかけ離れている気がしますね…
人を変えることや、コントロールすることはできないからです。
この考え方を受け入れるために、コントロールの5つの領域を見ていきましょう。
コントロールの5つの領域とは
人間にはコントロールの領域が5つあります。
- 自分がコントロールできると思っていて、実際にはコントロールできない領域(子どもを変える、夫や妻を変える、非現実的な目標ライン)
- 自分がコントロールできると思っていて、実際にはコントロールしていない領域(時間管理、ジムに行く、家族との時間、禁酒・禁煙、意識管理、読書)
- 自分がコントロールできると思っていて、実際にコントロールしている領域(寝る、歩く、歯を磨く)
- 自分ではコントロールできないと思っていて、実際にはコントロールできる領域(自分のストレス・悩み、未来に起きる出来事、目標達成、人間関係のトラブル、受験合格、病気の予防)
- 自分ではコントロールできないと思っていて、実際にコントロールできない領域(寿命のコントロール、自然災害、伝染病の流行)
うまくいく秘訣は、2番と4番を3番の領域に入れることです。
私も、生徒指導においては、「これは自分がコントロールできる部分か?」という問いを常にして、自分がコントロールできない部分は意識から遠ざけて、自分にコントロールできる部分に集中するようにしています。
例えば、生徒が勉強しない状態を直接コントロールすることはできません。しかし、生徒のやる気を促進する自分の行動はコントロールすることができます。
また、私は生徒の受験合格や成績向上を3番の領域に入れていますので、再現性高く成果を出すことができています。
うまく行かない人の特徴
「思うような成果が出ない、子どものやる気を引き出せない」
このような方は、自分がコントロールできない領域をコントロールしようとしていることが最大の原因です。1番と5番についてイライラしている人は罠にハマっています。
自分が直接コントロールできるのは、自分の行動と考え方に尽きます。
それ以外はコントロールできないので、考えても無駄になります。この部分について考えても答えは出ないので、悩むことになり憂鬱な気分になります。ストレスの原因もここですね。
まずは、自分の目の前に起きていることを5つの領域に振り分けてみましょう。1番と5番の領域のものは全て無視でかまいません!
子どもは主体的にしか行動しない
選択理論心理学では、人の全ての行動はその人自身が選択している、とされています。
選択理論心理学とは、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士が提唱した、人間の行動のメカニズムを解明した心理学です。
選択理論は発表以来40年間学校・自治体・組織・家庭環境等で良好な人間関係を築く手法として評価されアメリカやカナダを始め世界62カ国で普及しています。
出典元;選択理論心理学
教育を例に、わかりやすく見ていきましょう。
従来の教育現場では、子どもを叱咤激励し、ノルマを課し、強制させることで子どものやる気や学力を上げることができると考えられてきました。これを「外的コントロール」と言います。
一方、選択理論(内発的動機付け)では、子どもの行動を逐一指示するのではなく、子ども自身が勉強に楽しさや意義を見出せる環境を作ることで、結果的に子どもが主体的に学習に取り組むようなアプローチをとります。
子どもの本質的な行動は主体性によるものです。無理やり勉強させても、答えを写したりして意味が無かったりしますよね。
「支援をするだけで本当に主体的になるの?」
「ただの綺麗事じゃないの?」
恥ずかしいことに、昔の私はこのように思っていました。昔は生徒をいかに叱咤激励して勉強させるかを必死に考えていました。けれども、全く効果が出なかったんですね。
なので、仕方なくこの選択理論(内発的動機付け)を信じてみた結果、不思議なことに生徒が主体的に勉強するようになったんです!
それだけではなく、生徒との間に深い信頼関係を構築することもでき合格を支援することができました。
私はこの経験に感動して、子どもが主体的に行動するようになる方法をより多くの家庭に広めたいと思い、このサイトを運営しております。
ぜひ一度、真正面からこのサイトの情報を受け止めて信じてみてもらえますと現実が変わるかと思います。
選択理論(内発的動機付け)は最初はできなくても、しっかり学ぶことで段々と効果が出てきます。丁寧に説明していくので、一緒に身につけていきましょう!
子どもをやる気にさせたい親が取るべき行動
考えるとできる、を意識して過ごす
まずはじめに、学習の5つの段階を説明しますね。
- 知らないしできない
- 知っていてもできない
- 考えるとできる
- 考えなくてもできる
- 相手に教えることができる
人間の学習はこの5つの段階を経て、成果につながるとされています。
皆さんは今日で2番まで行けたと思うので、3番の「考えるとできる」という段階を意識してみましょう!
具体的には、今の自分の悩みをコントロールの領域5つに分けて紙に書いてみること。自分が相手をコントロールしようとした回数をメモすることがおすすめです。
(例)子どもが勉強しなくてイラっとした→コントロールの領域1番について考えてしまったので回数をメモする。
この回数が日に日に減っていれば成長している証拠です!
子どもの行動心理を知る
このサイトでは、子どもの行動メカニズムを心理学的に解明している記事をたくさん書いております。
「子どもがどのような心境で、なぜそのような行動を取るのか?」
子どもの行動原因を知りたい方は、こちらの記事が参考になると思います!
子どもの目標を明確にする方法を知る
「うちの子どもは目標はあるにはあるんだけど、イマイチ強く思えてないというか、まだ曖昧で行動には移していない、、」
このような方も多いのではないでしょうか?
- 数学で○○点を取りたい!
- 毎日これくらい勉強する!
- 部活動でこのくらいの成果をあげる!
このような目標があるのは素晴らしいことですが、目標意識が薄いと途中で諦めたり、目標達成できなかったりしますよね。
こちらに目標を明確にする方法をまとめています!
今回は、子どもをやる気にさせる際の前提となる考え方について書きました。
この考え方が正しくしないと、得たい成果を出すことはできません。
考え方から行動が生まれ、行動から習慣が生まれ、習慣から成果が生まれるからです。
良い成果は、良い考え方から生まれます。
是非、ほかの記事も読んで『やる気を引き出す技術』を体得してくださいね!
最後まで、ありがとうございました。
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