「勉強以外で読解力を鍛えられる方法はある?」
「小学生が読解力を鍛えるためのおすすめ教材を知りたい」
「小学生のうちに読解力を身につけておくとどんなメリットがあるの?」
小学生のうちに身につけておきたいスキルのひとつが読解力です。
読解力とは、書いてあるテキストの内容を正しく理解し利用する能力を指します。テキストには図やグラフなども含み、文章に限った話ではありません。
読解力を鍛えれば問題文を早く正確に理解できるため、国語以外の教科も成績アップが見込めます!
そこで本記事では、1ヶ月で生徒の算数偏差値を11アップ、2ヶ月で国語の偏差値を16アップさせたプロの学習コーチである私が以下のポイントについて解説します。
- 小学生の読解力が身につかない原因
- 読解力を鍛える具体的な方法やおすすめ教材
- 読解力を鍛える魅力
読解力を身につけさせたいものの、方法がわからずに困っている親御さんはぜひ最後までお読みください。
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小学生の読解力が身につかない3つの原因
小学生が読解力を身につけられない原因として、次の3つが挙げられます。
- 本や新聞を読む習慣がない
- 簡単に情報が手に入るようになった
- 長文でコミュニケーションをとらなくなった
インターネットの普及により、以前よりも読解力が鍛えにくい環境になっていると考えられます。ひとつずつ見ていきましょう。
1. 本や新聞を読む習慣がない
本や新聞を読まないと語彙力や表現力が身につかず、複雑な文章を理解しにくくなります。
学校教育総合研究所の小学生白書によると、約3割の小学生が1ヶ月に1冊も本を読まない結果となっています。
小学生の3人に1人は読書の習慣がないということです。
本を読むと、多様な文章表現や長文に自然と触れられます。また、新聞であれば限られた文字数で必要な情報を伝える手段が学べます。
本や新聞を読む習慣がないお子さんは、読解力を鍛える機会が少ない状態と言えるでしょう。
2. 簡単に情報が手に入るようになった
スマホやタブレットの普及により、誰でも簡単にインターネットを利用できるようになりました。
小学生も例外ではありません。総務省の令和5年度通信利用動向調査によると、6~12歳のインターネット利用状況は約9割にのぼります。
親御さんのスマホを日常的に利用したり、自分のスマホを持っていたりする子が増えています。
インターネットのコンテンツはイラストや動画が使用されており、短時間で効率的に情報を取得できます。
しかし、文章を精読したり情景を想像しながら読んだりすることが、本や新聞に比べて難しいです。
インターネットで簡単に情報を手に入れられるようになった反面、読解力を鍛えにくくなったと言えるでしょう。
3. 長文でコミュニケーションをとらなくなった
手紙やメールが主流だった時代は、日常生活の中にも長文で表現する機会がありました。
しかし、現在のコミュニケーションの主流であるSNSでは長文を使用することはほとんどありません。
たとえばX(旧Twitter)では140文字の入力制限があります。Instagramであれば画像や動画がメインコンテンツで、文章は補足的に使用するだけです。
絵文字やスタンプでのやりとりも多く、文字だけで自分の意図を伝える経験が得にくくなっています。
時代の変化に伴い、日常のコミュニケーションで長文を読み書きする機会が減少しています。
その結果、教科書や本に書かれている長い文章を読むのが苦痛になる場合があるのです。
小学生が読解力を鍛える手順4ステップ
読解力を鍛える一番の方法は読書です。しかし、漫然と読むだけでは読解力は上がりません。
読解力を鍛えるために必要なのは次の4ステップです。
- 読む習慣を身につける
- 音読する
- 要約する
- 説明する
順番にこなしていくことで、自然と鍛えられます。
また「【プロ伝授】国語の苦手な小学生の特徴4選!克服のための勉強法や親が意識すべき行動を紹介」では、文章の読み方のコツや意識すべき点を解説しています。
国語の成績を上げるための具体的なテクニックが知りたい方はあわせてご覧ください。
1. 読む習慣を身につける
読解力を身につけるには、長文に対する苦手意識を取り除く必要があります。本を読む習慣があれば日ごろから長文に触れることになるため、自然と読解力が身につきます。
そのほか、読書によって得られる具体的な効果は次のとおりです。
- 語彙力が増える
- 文章表現を学べる
- 知識量が増える
また、飛ばし読みをしていては読解力を鍛えられません。たくさん読むことよりも、内容を正しく理解しながら読み進めるようにしましょう。
目標冊数を決めてもよいですが、本を読ませること自体が目的ではありません!
最初は1日1ページでも読み進められれば十分です。継続して習慣化できれば自然と読むペースも上がっていきます。
2. 音読する
文章を声に出して読むと、意味を正確に理解しやすくなります。黙読だと、単語の印象は残っても文章構造が頭に入ってきにくいです。
文章の内容を正確に理解するには、接続詞や助詞にも注意して読み進める必要があります。
たとえば「昨日は学校に行った」と「昨日も学校に行った」では、ニュアンスが微妙に異なります。
とくに低学年のうちは、黙読で意味を正確に把握するのが難しいです。読み進めている本の一節だけでも音読して、文章構造を正しく理解できるになりましょう。
3. 要約する
読書に慣れてきたら、本の内容を400字程度で要約させてみましょう。
要約するためには書かれている文章を正しく理解する必要があります。読み終えた後に要約作業があることを意識すれば、読み飛ばすこともなくなります。
インプットで終わらせず、アウトプットとセットにすることが重要です!
要約が終わったら、親御さんがチェックしてあげてください。内容のあらすじや結論が正しく理解できているかを中心に確認するとよいでしょう。
内容に不足がある場合は質問して答えを引き出してあげるとより効果的です。文字数や記載方法を細かく指摘するとやる気を失いやすいため、形式にこだわる必要はありません。
また、低学年の場合は要約が難しいため、読書感想文でも構いません。お子さんが完成させたら読んで感想を伝えると、モチベーションアップにつながります。
4. 説明する
要約もスムーズにできるようになってきたら、本の内容をお子さんに説明してもらいましょう。
説明は学習内容を定着させるときにも効果的な方法です!
アメリカ国立訓練研究所の研究によると、人は説明することで学習内容の90%を記憶すると言われています。
説明は理解度を確かめる際にも効果的な方法です。自分の言葉でほかの人に説明できれば、内容を正しく把握できていると評価できます。
私のオンライン個別指導でも、生徒に説明してもらう時間を多くとることで学習定着度を高めています。
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小学生のうちに読解力を鍛える3つの魅力
小学生のうちに読解力を鍛える魅力は次の3つです。
- 全教科の成績アップが見込める
- コミュニケーション能力が向上する
- 将来の仕事に役立つ
読解力を鍛えるのは中学受験のためだけではありません。順番に解説します。
1. 全教科の成績アップが見込める
読解力が向上すると、国語以外の教科の成績アップも見込めます。どの教科も問題文の意図を正確に把握して解答しなければならないからです。
たとえば国語とよく対比される算数でも、文章を正しく理解し数式を自分で組み立てる必要があります。
読解力がなければ問題の意図を把握できず、間違った数式を当てはめてしまいかねません。
読解力は素早く正解を導き出すためにどの教科でも必須の能力と言えます。
YouTube動画「【完全イメージ化】中学受験算数完全攻略 【永久保存版】」では、中学受験で頻出の分野を解説しています。文章を正しく理解しなければ正答を導き出せないことがわかる内容です。
まだご覧になったことがない方はぜひチェックしてみてください。
2. コミュニケーション能力が向上する
読解力を鍛えると自然とコミュニケーション能力が向上します。
読解力がある子は相手の気持ちや求めていることを理解できるからです。
人はひとりでは生きていけず、他人とのコミュニケーションが不可欠です。円滑にコミュニケーションをとれる能力は、良好な対人関係を構築するための土台となります。
読解力は中学受験に役立つだけでなく、生きやすさを身につけることにもつながると言えるでしょう。
3. 将来の仕事に役立つ
読解力は将来仕事をスムーズに進めるうえで役立ちます。仕事では現状を正確に把握して課題を整理し、解決策を論理的に提示する力が求められるからです。
実際に公務員試験では長文読解、民間企業の採用試験で活用されるSPIでは国語力を問う問題が出題されています。
また、コロナ禍を契機にテレワークが普及したため、メールやチャットを介したやり取りも以前より増えました。テキストを通じたコミュニケーションが上手な人材は重宝されます。
小学生が読解力を鍛えるためのおすすめ教材4選
読解力を鍛えるにはドリルやアプリによる問題演習も欠かせません。小学生におすすめの教材を4つ紹介します。
- 小学生のための読解力をつける魔法の本棚
- ふくしま式本当の国語力が身につく問題集
- Z会グレードアップ問題集
- カンガエMAX
読解力をつける教材選びに悩んでいる親御さんは、ぜひ参考にしてください。
また、YouTube動画「【たった1動画で全てがわかる】中学受験国語完全攻略【永久保存版】」では、国語の基礎力を底上げするためのコツを解説しています。国語の問題文を解くための具体的な方法を知りたい方はあわせてご覧ください。
1. 小学生のための読解力を身につける魔法の本棚
出典:小学館HP
読書の習慣は身についたものの、読解力が伸び悩んでいる方におすすめの一冊です。麻生学園の国語教師が低学年にも通用する「読解力を身につけるための本の読み方」を解説しています。
内容を理解する読み方をしなければ、読書量を増やしても読解力は向上しません。
また、巻末には低・中学年と高学年向けに分けられた合計170冊のブックリストがついています。お子さんの本探しに悩んでいる親御さんにもおすすめです。
2. ふくしま式本当の国語力が身につく問題集
出典:ふくしま国語塾HP
国語力=論理的思考能力というコンセプトで作成されている、中学受験にも通用する一冊です。文章を正しく読み解き、自分の言葉で表現する力を養うことに重点が置かれています。
文章の要約や感想を書く問題などが収録されています。
論理的思考は読解力を身につけるうえで必要となる考え方です。国語の成績アップを狙いたい方に特におすすめします。
3. Z会グレードアップ問題集
出典:Z会HP
単に文章を読むだけでなく、内容を深く理解して自分の言葉で表現する力を養える問題集です。Z会独自の解説とアプローチで、難しい問題にも意欲を持って取り組めるように構成されています。
「かっこいいポイント」と題して解説やコラムを掲載しており、お子さんがつい読みたくなるような設計です。
問題を感覚的に解くのではなく、論理的に正解を導き出す力がつけられます。読解力だけでなく、語彙力や思考力など総合的に高めたい方におすすめです。
4. カンガエMAX
出典:カンガエMAXHP
言語で思考力を鍛えることに特化したアプリです。専用タブレットが不要なため、お手持ちのタブレットで手軽に学習を始められます。また、ひとりひとりの習熟度に合わせて問題のレベルを調整できる点も特徴です。
一番高い難易度だと中学生でも悩むような内容です!
問題の配信ペースは基本的に週1回、30分程度のトレーニングで読解力の向上が期待できます。考える力や問題を解く意欲も鍛えられるため、受験に向けた基礎力の底上げにも向いています。
ただし、教科学習ではないため単体で受験対策につながるものではありません。中学受験を考えている場合は、残された時間を考慮して導入を検討しましょう。
小学生が読解力を鍛えれば全教科の成績アップへつながる
読解力は国語だけでなく、すべての教科の成績を底上げするために必要な能力です。小学生のうちに身につけておけば社会人になっても役立ちます。
読解力を鍛えるには内容を正確に把握する訓練を繰り返す必要があります。文章の理解度を高める方法としては、内容を説明する機会を設けるのが効果的です。
また、普段の学習においても説明する機会を取り入れると、読解力を自然と向上させられます。
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